2012年6月7日木曜日

続/杉本博司

ギャラリー小柳は、いつもとても緊張します。
以前、内藤礼さんの展示を拝見したときもそうでしたが、
空気の中にピンと張った糸が何本も張り巡らされていて、
それに触れてはいけないような、そういう空気があります。

いわゆる商業的なギャラリーでしたら(ここもそうなのだろうけれど)、
もう少し窮屈な陳列な方がある意味買い付けやすいのかもしれないですが、
ここのギャラリーはもはや美術館のよう。
空間の消化の仕方も作品に含まれている、
或いは自然とそうなってしまうほど、魅力的な場所です。


ここでは、彼の代表作である『海景』と、
『Five Elements』というオブジェ(といっていいのか)の連作が静かに鎮座していました。

そう、鎮座するという日本語が適切だったと思います。
私は無宗教で、崇拝する偶像は何もないのだけれど、
そこでは、なんだか魂をさらけて懺悔したくなるような気持ちになったのです。

彼は今、能や浄瑠璃などの世界にも幅を広げているようですが、
生き身の魂に焦点を合わせる、向き合うという姿勢は、
どういう表現方法でも彼の中でぶれていないように感じます。


何を信じるかは自由ですが、
そこには信心だけでなく、まずもっと身近なものや人への感謝と畏敬があってこそ、
それは初めて成立するのではないかと思っています。


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