2012年7月7日土曜日

赤々舎と上田義彦さん

何も予定を立てないことに、
ある種の贅沢感を感じるのは、
少し生き急いでるというか、
詰めこみすぎな日々を認めることになるけれど、
もうしばらくこのペースで頑張りたい、吸収したいとも思います。


ともあれ、予定は未定な休日は、
陽射しがたっぷりと差し込む場所でのんびりとランチをいただき、
そのときの気持ちに正直になるように心がけます。

その日は赤々舎のサンプルセールへ。

赤々舎の出す本は、まさに本という媒体の真骨頂。
著者と装幀家と編集者の魂がドン!と鎮座していて、
手に取ったときの緊張感、高揚感だけでなく、
本棚に陳列したときの趣きまで想像させてしまう程の吸引力があります。

そして、この粋な目印!!!




























赤い風船を目印に来てくださいという案内があったのだそう。
表札や看板がないので、まさに知る人ぞ知る看板です。


もうそれはそれは宝の山でしたが、
悩んだ末、私が選んだのは、上田義彦さんの写真集。
写真の云々を知らぬ私があれこれ言うものではないかもしれないけれど、
彼は写真集という形でなおさら良さが増す方なのではないかしら、と。

たぶん1枚だと、私は流し見で通り過ごしてしまうかもしれない。
それくらい、普段をそのまま切り取れる写真家だとも言えると思います。
それが、ひとつの流れを帯びると、
前と後ろの作品、その次のまだ見ぬ作品への間を、
静かな糸がひっぱっていってくれるような力を感じられるのです。
彼のウェブサイトもまた作品集と同じような感覚に陥ります。

特段、ウェブや電子書籍を非難する気はさらさらなく、
受け手の環境や特性に合わせてセレクトできる時代なので、
いろんな手段で表現できるのは楽しいことです。

情報を目や手にしたときに、
その質量や質感も同時に脳へ伝達されると思うのですが、
本はそういった意味で、それぞれの個性を出すことができます。
重さや紙の触り心地、手あかが付かぬように注意した無意識の感覚は、
記憶のどこかに浮遊しているのでしょう。

私が選んだ上田さんの写真集も、そういった類いのひとつです。




0 件のコメント:

コメントを投稿